★絶対無敵

これぞボクシング。彼こそリアルディール。

試合前の煽りが短いから長丁場かと思ったが…蓋を開けてみれば今回も早々にKO葬。ただ、試合後にチャンプ本人も語ってたが、挑戦者の動きを見切ってはいなかった。相手は確かにラフで、それでいて単に大振りなだけでなかったり、タイミングが独特であったりといやらしさがあった。王者も連続KOの記録がかかった為か立ち上がりこそさすがに硬さが見えた。ただ、徐々にエンジンをかけていくと、最後は今やまさに“必殺”の左拳でもって仕留めた。痺れた。
距離に関係なく(主にロングレンジから)左のビッグパンチを振るう挑戦者に対し、巧みなディフェンスワークでかわしながら冷静に右のリードで距離を測り、小さい左のアッパーや上下のストレートをコネクトしつつ、最後は左ストをダブルでブチ込んだ。フィニッシュブローは華麗に決まったね。完全に顎を打ち抜かれたペレス、パンチを打とうとしたまま腰がストンと落ちたかと思うとマットにうつ伏せ…レフェリーがカウントを途中で止め、試合終了。
恐ろしきはスピード、テクニック、そして何よりハートか。慢心を知らないのかねこの人は。俺なんかの心配なんて杞憂にもならない。自らのボクシングに徹し、貪欲に勝利をもぎ取る。そして尚「反省が多い」だなんて…素晴らしすぎて泣けてくる。どうしてメディアはこんなチャンプにもっともっとスポットライトを浴びせないのか、不思議ってか、勿体ない。
こうして無事10度目の防衛に成功。長谷川穂積、次のステージは…